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角野隼斗さんという不思議な立ち位置のピアニスト

昨年の7月、東京オリンピックが開催されていたことは誰でも知っていますが、ショパン国際ピアノコンクールの予備予選が行われていたことは、クラシック音楽愛好家でもない限り、知っている人はそう多くないのではないでしょうか。

その本選前に2021年7月12~23日まで、予備予選審査がありました。総勢164名出場で、87名が本選に進みました。164名の出場者の中でも、角野隼斗さんは「かてぃん」の名前でピアノユーチューバーとしても活躍しており、東大で工学を学んだという異色の経歴も相まって国内外でも注目を集めました。結果は約20数名が残ったセミファイナリストということで、大きく話題になりました。

概ね、ピアノユーチューバーは弾く曲のジャンルを限定せず、クラシックだけでなく、ポップス、ロック、ジャズ、など幅広い。ストリートピアノで人気を博してユーチューバーに転身する人も少なくありません。みんな音楽系の大学を出ていて上手いのですが、やはり世界的にはピアニストの本流から外れており、ピアニストとしては語られにくいのも特徴的です。では、本流のピアニストって何?って話になるけど、やはり、正統の音楽教育を受け、クラシックしか弾かないピアニストということでしょう。

なぜ、多くの有名ピアニストがクラシックしか弾かないか。流行りの歌とは音楽の形式が違いすぎ、盛り上げ方や曲調、音楽構成の違いによるところが大きいことでしょう。何より、ピアニストの世界には、クラシックを弾きこなし、国際コンクールで入賞してなんぼという絶対的なプライドがあり、それが一流のピアニストなのです。かなり封建的な世界だとも言えます。

そんな微妙な立ち位置のピアノユーチューバーの中にあり、クラシックも弾きこなし、ピアノコンクールでも最高峰で、あのマルタ・アルゲリッチをはじめ、ブーニン、ユンディー・リー、ユリアンナ・アヴデーエワチョ・ソンジンなどを輩出してきた、有名ピアニストの登竜門でもあるショパン国際ピアノコンクールに出場する者が出るとは・・・。本当に驚いています。とはいえ、ピアノユーチューバーがクラシック業界で市民権を得たとは言い難い。それは先に述べたように、クラシック界独特の空気があるからに他なりません。

そもそも、クラシック、ジャズ、ブルース、ロックなどはただのジャンルに過ぎません。良い音楽はジャンルを問わず良いものです。角野隼斗さんはフジロックフェスティバルショパンの「英雄」や、ガーシュウィンの「ラプソディ・イン・ブルー」、クラシックの編曲を披露したりなど、ジャンルを問わず、果敢に演奏活動に取り組んでいます。

会場に来ている人たちは、ガチのロックファンのはずですが、意外にもきちんと聴いていました。どのくらいショパンを理解しているかは分かりませんが、音楽を愛する人はその辺のこだわりは少ないのかもしれません。結果として、活動がクラシックファンを増やしたという意味において、角野隼斗さんの功績は大きいです。

ショパンコンクールで善戦した勢いに乗って、今後も角野さん独特の音楽を聴かせてほしいです。